【初恋の人からの手紙】

 

しんご、ひさしぶり。
もうミニスカートを見ると「けしからん」と言うクセは治りましたか?
毎日のように怒っていたしんごをなつかしく思います。

しんごに私が「何かドキドキしないのよね。最初からだけど」
と冷たく言ってお別れすることになったあの日から、
もう10年が経ったのですね。月日が流れるのは早いものです。

お手紙を書いたのは、とくに用事があるわけではないんです。
ただふと思い出して懐かしかったので、
思いつくままに手紙に書こうと思いました。ふふ。驚いたかな?

思い返してみると、あのころはしんごはとても優しくて、
大人びていたなぁと思います。
私は素直になれなかったから、
平気で「しんごはどうせ胸さえ大きければいいんだよね!」
なんて責めるようなことを言ったけど、
しんごは「そんなことはないよ。カラダ全体が大事だよ」
って優しく諭してくれたのを覚えています。
少しヒドイと思ったけれど今でも心に響いています。

あ、私ってしんごにとって初恋の相手ですよね?
そういえばしんごはなんだか最初から自信満々だった印象があります。
初キスの後も「君はあっさりしたキスするんだね」って評論家みたいに言われたなぁ…。
私が早めに終わらせたかっただけだったんですけどね(笑)。

まだ付き合い始めたころ、しんごは気分が盛り上がって
「いつか必ず結婚しような」って言っていましたよね。
私は適当にごまかしましたが、嬉しそうなしんごの顔を忘れません。
今思えば完全に詐欺ですけど、今でもみんなにそう言っていますか?

総括するなら、しんごと付き合えたことは、とても感謝しています。
特にしんごとの恋愛から学べた重要なことは、
あまり人に期待しすぎてはいけないということでした。
一人で生きられるようになることの大事さを教えてもらえたと思っています。
ありがとう。

いろいろ書きましたが、私はしんごが大好きでした。
これからもしんごらしさを大切に、
あと当時本気でやっていたパントマイムの練習は続けて(笑)、
いつか幸せになってください。

またいつか会いましょう。では。


P.S. 愛と恋の違いを熱く語る病気はもう治りましたか?